「藍色ノ狂詩曲」の紹介をします。
心情的には、弊社で5年ほど前に開発した「五重奏」のリベンジという気持ちがあります。あの時にできなかったことを実現しようと努力したものです。ただ設定やゲーム性などは、特に引きついでいるわけでもありませんので、「五重奏2」ではなく、まったく別物として制作しています。実際に今回はシミュレーションでなく、アドベンチャーで、形態も2人によるセッションです。(ただし女性コントラバス奏者と男性ピアノいう前例のない形態なので、ウルトラCの技能が見られます)
音楽学校の学生生活というと、一般に知られるものではないようにも思えますが、それほど違いがあるとは思えません。ただ、このゲームでは微妙なニュアンスを平易な日常のやり取りに置き換えて、その神経質で過敏な心理状態や、野心的でありつつも弱気になるという主人公心情とか立場を、感情移入できるよう少しでも砕いて入れてみました。結論的には、たぶん音楽学校の生徒も一般と変わらない青春を送る。むしろいろいろ特殊でハードルもあって、ストレスがたまるよなといったところを感じられるでしょうか。
しかし、そんな中での学生生活で、私たちが学ぶはずのものというのは、やはり悩みの先に存在するものかなという印象はあります。
基本は葛藤であり、自分にとっての真実です。しばしば私たちが行わなければいけない日常の「選択」というものが、実際に生活(人生)にどんな影響が現れてくるのか、そんなことを問いかけるようドラマの主題にしています。プレイヤーが選んだ選択肢が、そのままかなり物語の展開に深くかかわるようにしたのは、そのためです。ただし難しいものではなく、選びながら楽しめるエンターテインメントを目指しました。
内部的なパラメータの処理はありますが、基本はテキスト主体の正統的なアドベンチャーです。
立ちキャラの数(バリエーション)も多く、サイズもデフォルトの他に近・遠があり、昼・夕・夜の時間帯にあわせて色を調節して、変えています。また表示方法も場面ごとに設定して、拡大縮小はもとより工夫をこらしてあります。その数を述べにすると、1000枚近くになり、色替えを延べにして考えるなら、3000枚のバリエーションがあります。
仕上げには注意を払い、不具合が生じないようデバッグを徹底しております。堅牢なソフト作りを目指すというのが、弊社の理念ですから、パッチを決して出さない(で済む)覚悟で挑んでおります。
あとは発売日の11月14日、ユーザーの皆さんのご評価をいただくだけですが、好みの差はあるにしても精魂込めて作りました。
特に「初回限定版」はオリジナル音楽CDがつきます。この音楽CDでは厳選した12曲をオリジナルのアレンジのまま入れてあります。生ピアノの即興など、ちょっと毛色も変わっていて面白いと思います。実はピアノは「坂○龍一」先生と和楽器のユニットで日本中を回っていた上野先生による渾身の作品でして、他では決して手に入らないアルバムです。
また、メッセサンオー様、ソフマップ様の店舗では、それぞれ絵柄の異なったテレホンカードが限定数ですがつきますので(それぞれ原画家「ぷれしゃすている」書き下ろし、あわせてご期待ください。
どうぞ、よろしくご購入、お楽しみいただけますようお願いします。
平成15年11月吉日